うめー具合に いい塩梅! 〜梅の効能、梅のアレコレ〜
2008-6-19/転載
文字 
好きな川柳のひとつに
『梅一輪 一輪ほどの 暖かさ』
というものがある。

肌寒い中にそっと開く梅の花は、早春からの贈り物である。ほんのりと漂う甘い香りと、花明かりの下で飲むお酒のまたオツなこと……。

日本では桜と同じく風物詩となっている梅は、バラ科サクラ属の植物。元々は中国の長江が原産で8世紀半ばに渡ってきたと言われている。

梅には300種以上の品種があり、野梅系、紅梅系、豊後系の3系統に分類される。梅の実を採るのは主に豊後系だとか。

ちなみに、高級梅で有名な南高梅は、明治時代に和歌山県の旧?上南部村(現?みなべ町)で高田貞楠が果実の大きい梅を発見し、高田梅と名付けて栽培した。その後1950年に上南部村優良品種選定会が発足し、5年にわたる調査の結果、高田梅を最優良品種と認定した。調査に尽力したのが南部高校の教諭であったことから南高梅と名付けられたそうである。

梅の実には、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、ピクリン酸などの有機酸類の他、カルシウム、リン、カリウムなどのミネラル、カロチン、ビタミンB1、B2、Cなどが含まれる。有機酸類には、酸の働きによる感染防御、カルシウムの吸収促進などの働きがある。

梅のPHは梅干で2.0、梅エキスでは1.4と酸性が強いため、食中毒の予防や腐敗防止にも威力を発揮する。また、梅の実に含まれるクエン酸には糖の代謝を活発化し、疲労物質の乳酸を燃焼させてエネルギーに変える働きがあり、疲労回復に役立つとも言われる。しかも、成分の1つであるピクリン酸は肝機能を活性化させるため二日酔い防止にも役立つのである。

その他にも血管の老化を防止する、血管の老化を防ぎウィルスやがん細胞などを取り込み消化するマクロファージを活性化させるとも言われている。また、梅干を見ただけで分泌された唾液には、アミラーゼ、パロチン(アンチエイジングホルモン)が多量に含まれるというから、梅の実万歳!

ところで、梅の実は塩で漬け込んだ梅干、酒で漬け込んだ梅酒、青梅をすりおろし煮詰めて作る梅肉エキス、砂糖で漬け込んだ梅シロップなど、その加工品も豊富である。梅にスミをまぶし薫煙し干した烏梅(うばい)という漢方薬があり、下痢、嘔吐、食欲不振などに効果があるとされている。

これだけのご利益があるのなら、日々の食卓に摂り入れたいものである。注意としては、梅の実はナトリウムを多く含むため、高血圧症の方は塩分を追加していない梅肉エキスでの摂取が良いだろう。また、青梅の種の核には青酸を生成するアミグダリンが含まれ、食べると下痢を起こすことがあるので要注意である。

全く関係ないが、筆者は大きめ粒の南高梅の梅干が好物である。

ところで表題にある「塩梅(あんばい)」とは、梅干を漬ける際の塩加減が語源である。丁度良く梅が漬かれば、いい塩梅! ここから、丁度良い加減をさす言葉として用いられてきた。梅干を家庭では作らなくなった昨今の若者には、なじみの少ない言葉かもしれないが、筆者はすぐに使うのである。お風呂に入って「あー、いぃ塩梅〜! 」

■梅シロップの作り方
梅 1kg
氷砂糖 0.7〜1kg
焼酎 適宜

(1)新鮮な青梅を水で洗い、水気をふき取る(丁寧にやる場合はヘタを取る)。
(2)ガラスまたはホーローなどの酸に強い容器をよく洗い、乾燥させ、焼酎で消毒する。
(3)(2)の容器に、(1)の梅、氷砂糖の順で入れる(この時、梅を冷凍庫で凍らせてから使うと砂糖の浸透が早く、エキスが早くあがる)。
(4)(3)を冷暗所に置き、時々容器をゆすってみる。
(5)長期保存したい場合は、1ヶ月ほどでしわしわになった梅を取り出し、ガラスかホーローの鍋で加熱殺菌し、ビンに移し冷蔵庫で保管するとよい。取り出した梅を食べるのも、また楽しみのひとつ。
1ヶ月〜2ヶ月で使いきるのであれば、加熱処理はしなくてもよい。

シロップを水や炭酸水で割って飲むもよし。煮魚や煮物の甘味として用いれば、臭みが抜けて風味もアップする。焼酎で割れば即席梅酒となる。かなり優れものなので、今年は青梅の季節にお試しあれ!
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