携帯電話記録から現代人の行動パターンが明らかに
2008-6-19/転載
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ヒトは習慣から逃れられない動物であり、大半の時間を職場や自宅など、ほんの数カ所の主要な場所に移動するか、その場で時間を過ごすことが、携帯電話の記録を利用した新しい研究によって明らかにされ、英科学誌「Nature」6月5日号で報告された。

人間の行動パターンの定量化は、伝染病の予測から都市部の道路計画まですべてに影響を及ぼすため非常に重要である。携帯電話を利用するこの新しい方法について、研究者らは、金銭の動きを追跡する既存の方法よりも正確かつ容易でコストもかからず、自然災害や病気の発生時での緊急対応の計画改善に役立つという。

今回の研究で、米ノースイースタン大学(ボストン)複合ネットワーク(Complex Network)研究センター教授のMarta C. Gonzalez氏らは、所定のカバーエリア内での移動を追跡する携帯電話中継基地局のログ(log)を分析。無作為に選択した携帯電話ユーザー約10万人を対象に、その移動に関する情報を6カ月にわたり収集した。

分析の結果、何百マイルも移動していたユーザーも少数いたが、ほとんどは短い距離しか移動していなかった。また、移動先が5カ所であろうが50カ所であろうが、大多数のユーザーは、反復的に訪れるわずか2カ所に約70%の時間を費やしていた。

Gonzalez氏は「カバーエリアのみの情報なので確実ではないが、その2カ所は職場と自宅であろう」としている。また、今回観察された行動は、動物が餌探しの行動で見せる古典的な “レヴィフライト(Levy flight)”パターン―ほとんどが反復的でない短距離の移動だが時折長距離の移動をする―からやや外れていた。

米ハーバード大学(ボストン)生物学的人類学(biological anthropology)准教授のKaren L. Kramer氏は「人々は、現代では水飲み場や食料源を日々追い求めることはなくなった。都会では職場に行けば金銭を得られ、店で食料を買い、それを食べるために自宅へ持ち帰る。つまりヒトは、基本的には今も採集狩猟生活者であるが、資源が集中していれば移動場所もまた集中する」と説明している。
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