“ハリウッド映画に出てくる典型的な心臓発作”と違うことが主な理由で、若齢女性の多くが心臓発作の警告サイン(warning sign)を無視したり、単に気付かなかったりするとの報告が、米ボルチモアで開かれた米国心臓協会(AHA)の「心血管疾患および脳卒中における医療の質と転帰に関する科学フォーラム」で発表された。
心疾患は米国人女性の死因の第1位で、年間約50万人、つまり1分間に約1人が心疾患で死亡していることになり、若齢女性では毎年1万6,000人が死亡、4万人が入院している。米エール大学医学部(コネチカット州)疫学?公衆衛生学准教授のJudith Lichtman氏らは、昨年(2007年)、55歳未満の女性が心臓発作の症状を認識できず手遅れになることが多いことを示した。
88%の女性が重度の胸痛という典型的な症状を報告しながらも心疾患を疑ったのは42%のみ、心臓発作の症状出現から1時間以内に受診した女性は半数に過ぎず、これは自分の症状に現実感がなく重篤と思わなかったためであった。今回は、心臓発作を発症した55歳以上の女性30人を対象に、退院1週間後に詳細なインタビューを実施。
患者の多くは、症状を心臓発作ではなく、酸逆流や疲労、過度の運動、ストレスによるものと考えていた。メディアでみる心臓発作の症状と一致していないことが多く、「顎に痛みがあったが、テレビの影響からか、心臓発作は胸部に起きると思っていた」などの意見があった。
また、胸痛であっても通常の受診予約しかとらなかった女性や、救急科を受診しても通常の受診に振り分けられて、心臓発作以外の検査を多数受けた女性も多かった。Lichtman氏は「『よりわかりやすい定型化された概念が欲しいが、メディアでは見られない』という女性が多かった」という。
米レノックスヒルLenox Hill病院(ニューヨーク)のSuzanne Steinbaum博士は「心臓発作を発症する人の典型的なイメージは、ジョン?ベルーシのように胸をつかむ太った男性。若齢女性に心疾患があると考えないため、映画でのイメージがない。心疾患はハリウッドの台本と同じとは限らないことだけではく、何がリスクか理解するよう女性に教えることが重要」と述べている。
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