常用量のビタミンDサプリメント(栄養補助食品)摂取により寿命が延びることが、ヨーロッパの研究で示唆された。ビタミン摂取に関しては、その効果がいまひとつ不明であり、癌(がん)や心疾患のリスクを低下させる手段として勧められる一方で、これら疾患に効果なしとする研究もある。例えば、ビタミンEは癌に効果はなく、マルチビタミンは癌リスクを減少させないといった研究結果が報告されている。
こうした中で、研究者らは「今回の研究ではビタミンDは例外であり、ひとつのビタミンが死亡率に影響を与えることを示した初めての知見である」としている。
"フランスの国際癌研究機関(IARC、リヨン)のPhilippe Autier博士、イタリアの欧州腫瘍学研究所(EIO、ミラノ)のSara Gandini氏らは、18の研究で得られたデータを検討。被験者は5万7,000人以上で、用いられていたビタミンDの用量は300〜2,000国際単位(IU)、平均528 IUであった。"
"約6年間の追跡期間中に4,777人が死亡し、ビタミンDサプリメントを摂取した群の死亡リスクは、摂取していない群よりも7%低いことが判明。また、血液採取を行っていた9つの研究では、サプリメント摂取群の血中ビタミンD値は、摂取していない群の1.4〜5.2倍であった。"
Autier氏は「ビタミンDは癌でみられるような細胞増殖を抑えることができ、この知見は癌や他の疾患に対する新薬の開発につながる可能性がある」と述べている。また、ビタミンDサプリメントは1日400〜600 IUを摂取すれば十分で、過剰摂取は避けるよう注意を促している。
健康な骨を維持するために必要なカルシウムの体内への取り込みに重要な役割を果たしているビタミンDに関しては、毎日中等量の太陽光を毎日浴びることで、皮膚が太陽光を利用してビタミンDを産生する仕組みが体に備わっている。今回の研究は、米医学誌「Archives of Internal Medicine」9月10日号に掲載されている。
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