アロマセラピーに過剰な期待は禁物
2008-3-25/転載
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アロマセラピーでよく用いられる2つの香り―レモンとラベンダー―の効能を検討したところ、片方は一時的に気分を改善したものの、どちらも創傷治癒や疼痛軽減、免疫状態の改善には有用でなく、蒸留水のほうが健康に良い効果をもたらすケースもあるとの研究結果が、医学誌「Psychoneuroendocrinology」オンライン版4月号で報告された。

花から抽出した精油が、健康で幸福な状態(well-being)を向上させるというアロマセラピーの信奉者は多く、広く使用されているが、その有効性を示す科学的データはほとんどない。今回、米オハイオ州立大学健康心理学部長のJanice Kiecolt-Glaser氏らは、蒸留水を対照として、刺激性で気分を高揚させるというレモンと、リラックス効果を持ち、睡眠を助けるとされるラベンダーの香りについて検討した。

同氏らは、十分な嗅覚を持つ56人を対象に、3回の半日セッションを行い、被験者の半数には香りの種類と期待される効果を事前に説明し、残り半数には果物や花の香りであることのみ告げた。その後、レモン油、ラベンダー油、蒸留水のいずれかを含ませた綿ボールを、被験者の鼻の下にテープで貼り、血圧と心拍数をモニターした。

また、各被験者から血液を採取し、インターロイキン‐6(IL-6)やIL-10などの生化学マーカー、ストレスホルモンのコルチゾルやノルエピネフリンの変化も分析。次に、皮膚の特定部位にテープを貼って剥がすことを繰り返す標準的な検査で被験者の治癒力を、また足を冷水(摂氏0度)に浸すことで疼痛に対する反応を調べた。気分およびストレスは、3つの標準的な心理テストを用いて評価した。

その結果、レモン油では明らかな気分高揚がみられたが、ラベンダー油ではみられなかった。いずれの香りもストレスや疼痛コントロール、創傷治癒の生化学マーカーに有益な影響は認められなかった。Kiecolt-Glaser氏は「香りを楽しむならそれで良いが、心理状態の変化や本当に健康に有効であることは期待すべきでない」としている。
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