中咽頭ガン
2008-3-13/転載
文字 

概説 中咽頭は軟口蓋(なんこうがい)から舌骨(ぜっこつ)までの範囲であり、解剖学的に前壁、側壁、後壁、上壁の4つの部位に分けられます。中咽頭ガンの発生部位としては、側壁が最も多く約50%を占め、次いで前壁、上壁が約20%で、後壁は少ないようです。
 中咽頭は構音(こうおん:言葉を発する)、嚥下(えんげ:食べ物を飲み下す)、呼吸といった重要な機能を担っているため、治療にあたってはT1、T2の早期ガンなどでは機能を温存するために、放射線治療や放射線と化学療法の同時併用療法を行うべきでしょう。しかし、T3、T4の進行ガンではやはり拡大手術を要することが多く、切除後は再建手術が不可欠です。
 原因としては、やはり喫煙と飲酒が関与しています。したがって、中咽頭ガンを克服したとしても、喉頭ガン、下咽頭ガンなどとの重複ガンも少なくありません。

症状 原発巣がある程度の大きさになるか、頸部リンパ節転移をきたすまでは、無症状であることが多い病気です。一般に咽頭の違和感、異物感、頸部の腫瘤(しゅりゅう)などが初期症状であることが多く、一方、舌咽神経や迷走神経(第10脳神経)を介した放散性の耳痛が初期症状としてみられることがあります。原発腫瘍が進展すると、出血や疼痛(とうつう)に加えて、翼突筋が侵されて開口障害(口がうまく開かないこと)、舌運動制限に伴う構音?嚥下障害、さらに副咽頭のすき間から頭蓋底が侵されて下位脳神経症状などがみられるようになります。

診断 まず口腔、中咽頭の視診が診断の第一歩です。特に潰瘍性病変や潰瘍性病変を伴う腫瘤に留意すべきです。舌圧子や口蓋弓鉤(こうがいきゅうこう)で口蓋扁桃(へんとう)、軟口蓋(なんこうがい)、臼後(きゅうご)部を観察します。次いで間接喉頭鏡やファイバースコープを用いて、舌根(ぜっこん)部を観察するともに、必要に応じて触診も行います。もし疑わしい部位があれば生検を行います。
 一方、画像診断としてCTやMRIを行うことも必要です。また頸部の触診により腫瘤を触知した場合は超音波診断なども必要です。以上により悪性腫瘍が疑われた場合は胸部X線検査も行うべきです。

一般的な治療法 中咽頭ガンは放射線治療に対する感受性が高いので、T1やT2症例では放射線と化学療法の同時併用で制御できることが少なくありません。しかし、頸部転移がある場合は頸部廓清術(かくせいじゅつ)を行うべきと思います。T3やT4の進行ガンになると、やはり手術が主体となります。すなわち原発巣の摘除と頸部廓清術は必須です。しかし、最近は再建外科が著しく進歩していますので、かなりの拡大切除を行っても再建は可能です。

生活上の注意 過度の喫煙と飲酒を避けることが第一です。

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