概説 喉頭ガンは人に起こるガンの中では最も早期に見つかるガンの一つといえましょう。通常、喉頭を自分でみることはできません。しかし、病院などで内視鏡を用いて観察する場合は写真をとることは容易です。症状としては嗄声(させい)が圧倒的に多いので、喉頭ガンは非常に早期に発見されることが少なくありません。原因としてはやはり過度の喫煙、飲酒が関与しています。
症状 初発症状は嗄声であることが多いのですが、これを放置しておくと声帯が麻痺(まひ)して、声がでにくくなります。腫瘍が増大すると声の質が悪化し、さらに腫瘍が増大すると呼吸困難になることもあります。また症例にもよりますが、やはり頸部にリンパ節が触れるようになることもあります。
診断 ファイバースコープなどの内視鏡検査、症例によってはCT、MRIをはじめ、生検、喉頭ストロボスコピー、手術用顕微鏡下の観察などが行われます。
一般的な治療法 腫瘍が増大し、反回神経などが麻痺すると声が弱くなり、嗄声が増強します。最近の治療の傾向として、できれば喉頭を温存するように努めていますが、腫瘍によっては喉頭全摘出術も行われます。
喉頭を摘出した場合は、従来の方法での発声は不可能になります。そのために食道発声、人工喉頭、気管食道瘻(ろう)形成術、ボイス?プロテーゼ(voice prosthesis)発声法などいろいろな選択肢があります。なかには食道発声で歌を歌える人もいます。しかし、今後はできれば喉頭を全摘することなく、喉頭を温存する新しい治療法の開発が期待されます。
一方、進行喉頭ガンで頸部リンパ節転移も認められる例では根治的頸部廓清術も併施されます。
生活上の注意 やはりT1やT2の治癒率は良好です。T3になると手術を必要とする症例もありますが、症例によっては放射線と化学療法の併用で喉頭温存が可能な例も増えています。しかしT4ではやはり喉頭全摘術が必要な例が多くなります。
ちなみに北大での5年生存率をstage別にみると――
stageI:100%、stageII:96.9%、stageIII:85.1%、stageIV:0%(n=5)
という結果でした。
《発声機能のリハビリテーション》
食道発声が最もポピュラーです。この方法は食道内に空気を摂取し、吐き出す際に下咽頭壁を振動させて発声します。
空気摂取の方法には注入(injection)と吸入(inhalation)があります。熟達者は自然に近い発声が可能ですが、習熟が難しく、長期間を要します。
人工喉頭には空気式と電気式があります。器具を要する上に、音声は機械的で不自然ですが、最近はより機能がすぐれた人工喉頭も開発されています。












