概説 白衣高血圧症とは、自分で家庭で測った血圧は正常ですが、病院で白衣を着た人に測ってもらうと「高血圧」になることをいいます。緊張やストレスで血圧が上がるということはよく知られていますが、それが条件づけされて病院に来ると高血圧になってしまうというわけです。
病院では、緊張をとるためによく2、3回深呼吸をしてから血圧を測りなおしますが、それでも血圧が下がらなくて高血圧と診断されてしまいます。こういう人に、やみくもに降圧剤を投与すると、血圧が下がりすぎてかえっていろいろな症状(立ちくらみ、めまい、疲れ、だるさなど)がでてしまいます。したがって、日常生活の中での血圧変動をよくつかんでから高血圧かどうかの判断を下す必要があります。また、本態性(ほんたいせい)高血圧症の人でも、病院で測る血圧は家庭で測るよりも高いことが多く、これを「白衣現象」と呼びます。
症状 普段は正常血圧ですので、自覚症状はありません。ただし、緊張した時には血圧が上がりますから、動悸、頭痛、頭重感、のぼせ感、発汗などを感じることがあります。元来、神経質な人が多く、ちょっとしたことでも不安、緊張、いらいら、あせりなどを感じやすい傾向があります。また「自分は病気ではないか」「高血圧で倒れたらどうしよう」という心配、こだわりが強い人がなりやすいと考えられています。
診断 白衣高血圧症と診断するには、家庭での自己血圧測定や24時間自動血圧計での血圧値と、病院で測った血圧値とが大幅に違うことが必要です。はっきりとした基準はありませんが、収縮期血圧で20〜30mmHg以上の差があります。また、高血圧に伴う臓器障害(動脈硬化、腎臓障害、心疾患など)がないことを確認することも必要です。
一般的な治療法 家庭で測った日常の血圧値が正常範囲内であれば、高血圧の治療は必要ありません。ただし、白衣高血圧症の人が何年かすると本当の高血圧症になる可能性もあるので、定期的に血圧を測定して様子をみることは必要です。自覚症状が強い時や血圧の上昇が著しい時には、軽い抗不安薬やβ遮断薬を予防的に服用すると効果があります。また、自律訓練法などのリラックス法を身につけることも大切です。白衣をみると血圧が上がるのは一種の条件づけですから、場合によっては系統的脱感作法を行ってそういう状況に慣れていくことも必要です。
●標準治療例
[1]不安や緊張が強い場合
リーゼ(5mg) 1回1錠1日3回(毎食後)
あるいは不安場面の時に頓服としてワイパックス0.5mg。
[2]動悸や頭痛などの強い時
ロプレソール(20mg) 1回1錠1日3回(毎食後)
生活上の注意 高血圧症の予防には、食塩を制限する、肥満を少なくする、タバコやアルコールを控えるなどの生活習慣を改善することはもちろん大切です。白衣高血圧症には、それらに加えて、ストレス対策に心がけることも必要です。ストレス解消法には、運動やスポーツをする、友人と話をする、気分転換をするなどいろいろありますが、日頃から自分にあった方法を身につけておくことが大切です。












